JapanDesk

日本との取引で止まる書類について、実務でその書類を出している側が書いています。

日本の取引先から請求書が差し戻された。相手の経理が確認している項目

日本企業が海外からの請求書を差し戻す6つの理由——登録番号、税率ごとの消費税、宛名、支払期日、振込先——と、それぞれの直し方。

公開 2026/9/23 · 更新 2026/9/23 · 一次情報6件で確認 · 下書きと検査は自動、公開前に人が確認

何が起きたか

作業を終え、英語のPDF請求書を送り、入金を待つ。二週間後、取引先の経理から丁寧な文面で再発行の依頼が届く。理由は些細に見えます。登録番号がない、税額の内訳がない、支払期日が違う。

作業内容にも金額にも異論は出ていません。それでも入金は動かず、月次の締めに間に合わなかったために支払いが一、二か月ずれる。海外の事業者が日本企業にはじめて請求書を送ったときに、もっとも多く見られる流れです。

日本の請求書は、代金を請求する文書にとどまりません。買い手が消費税の控除を受けるために保存する書類であり、社内の承認経路で支払依頼に添付される書類でもあります。項目が欠けていると、確認する担当者の裁量で通す余地がないため、差し戻しになります。

相手の経理が確認していた項目を、一つずつ見ていきます。

日本側で何が起きているか

2023年10月以降、日本の買い手は仕入税額控除を受けるために適格請求書を保存します。記載事項は国税庁が定めており、一つでも欠けた書類はその役目を果たしません。

どうすればいいか

  1. 登録について税理士に相談する。 インボイス制度が自社の事業に適用されるか、登録が可能か、また登録に意味があるかは、こちらからは見えない事実関係によって決まります。国税庁の公表資料が登録できる事業者を示していますので、自社の法人にどう当てはまるかは税理士に確認してください。
  2. 記載事項6つを軸に請求書を組み直す。 下の表をチェックリストとして使い、各項目を文章の中ではなく、項目名の付いた欄として配置します。
  3. 税率ごとに合計を分ける。 税率ごとの対価の額、適用税率、税率ごとの消費税額を示し、軽減税率の対象行にはその旨を記します。
  4. 買い手の締めサイクルに合わせる。 締め日と支払日を確認し、自社独自の起算方式ではなく、その日付を支払期日にします。
  5. 支払経路と手数料を文書で示す。 使ってほしい口座情報を記載し、日本の口座の有無を伝え、振込手数料の負担者について一行を加えます。
  6. 識別のための情報を足す。 請求書番号、発行日、請求月がわかる件名、双方の担当者名です。
  7. 日本語の短い送付メールを添えて再送する。 修正したPDFを添付し、同じ書類の再発行を求められた場合は請求書番号を変えず、他に不足があれば知らせてほしいと伝えます。
  8. 返信で入金日を確認する。 入金が実行される日付の確認を依頼しておくと、締めがずれたことを一か月失う前に把握できます。

ひな形

国税庁が示す適格請求書の記載事項6つです。

#記載事項内容
1適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号発行者の名称と登録番号
2取引年月日取引を行った年月日
3取引内容(軽減税率の対象品目である旨)何を提供したか。軽減税率の対象にはその旨を記載
4税率ごとに区分して合計した対価の額及び適用税率税率ごとの合計額と適用税率
5税率ごとに区分した消費税額等税率ごとの消費税額
6書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称請求書の宛先となる事業者の名称

再発行した請求書に添える送付メールの例です。

Subject: Invoice INV-XXXX for [month] — reissued

Dear [name]-san,

Thank you for pointing out the missing items on our invoice.
Please find the corrected invoice attached.

  Invoice no.:  INV-XXXX
  Issue date:   [date]
  Due date:     [date, per your closing cycle]
  Remittance:   [bank, branch, account type, number, account name]

Please let us know if anything else is needed for your records.

件名:請求書(INV-XXXX)再発行のご送付

〇〇株式会社
経理ご担当者様

いつも大変お世話になっております。〇〇の△△でございます。
このたびは請求書の記載事項につきましてご指摘をいただき、誠にありがとうございます。

修正いたしました請求書を添付にてお送りいたします。

  請求書番号:INV-XXXX
  発行日:〇年〇月〇日
  お支払期日:〇年〇月〇日
  お振込先:〇〇銀行 〇〇支店 普通 〇〇〇〇〇〇〇 〇〇〇〇

他にご不足の点がございましたら、お手数ですがお知らせいただけますと幸いです。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

専門家に頼む場面

登録、消費税の申告、還付に関わることは税理士に依頼する場面です。これらは法人ごとの判断であり、国税庁の資料は日常的に読み慣れた人に向けて書かれています。書類ではなく契約そのものが争点になっている場合は弁護士の領域です。記載事項6つ、支払期日、振込先を自社のテンプレートに並べる作業は、社内で扱える通常の書類仕事です。

よくある質問

登録番号がない場合、買い手は控除を全額失うのでしょうか。

ただちに全額を失うわけではありません。国税庁が公表している経過措置では、登録していない相手からの仕入れについて、仕入税額相当額のうち段階的に縮小する割合を控除できるとされています。2026-09-30までは80%、その後70%、50%、30%と段階的に下がり、2031-09-30に終了します出典。

請求書は英語で送ってもよいのでしょうか。

英語の請求書でも記載事項6つを満たすことはできます。金額と消費税額は日本円で記載します出典。これまでの経験では、日英併記の様式のほうが処理が速く進みます。書類を処理する担当者は日本語の項目名を読むためです。

取引先から伝えられた登録番号は、どう確認できますか。

国税庁は公表サイトで登録事業者を公開しており、登録情報はそこで検索できます出典。

支払期日は30日後と翌月末のどちらにすべきでしょうか。

買い手に確認するのが確実です。入金が動く時期は先方の締めサイクルで決まり、日本のB2Bで標準的なのは月末締め翌月末払いです。日本企業の銀行振込の仕組みもあわせてご覧ください。

料金ページでも日本の買い手が戸惑っています。関係がありますか。

原因は同じで、日本の買い手が探している項目が見当たらない状態です。その項目は日本の買い手が料金ページで見ているものにまとめてあり、全体の流れは日本企業への販売にあります。

キット

B2B書類キットには、この記事の土台になっている日英併記の書類が入っています。記載事項6つを項目欄として配置した請求書テンプレート、支払条件欄のある見積書、納品書、そして送付メールと督促メールの英語版・日本語版です。日本企業にはじめて請求する日本国外の供給者に向けて作っています。

この記事が古くなる条件

この記事が古くなる条件

  • 国税庁が適格請求書の記載事項を変更したとき。
  • 免税事業者等からの仕入れに係る経過措置が段階的に縮小または終了したとき(公表されている日程は2031-09-30まで)。
  • 国税庁が登録番号の形式、または登録事業者の公表方法を変更したとき。

いずれかが起きたとき、この記事は出典の再確認に回ります。

出典

この記事は、上記の出典として挙げた公開情報を整理したものです。税務・法務・入管に関する助言ではありません。個別の事案にどう適用されるかは、税理士または日本の弁護士にご確認ください。

この記事は次の場所で出た質問から書かれています: devto 。質問した本人の文章は引用していません。

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